赤絵桜花文(あかえおうかもん)
春の訪れとともに山野を染めて花開き、惜しまれて風に散る風情がこよなく愛される桜は、古来よりわが国で、花の代名詞となるほどに親しまれてきました。
花びらを文様化した桜花紋は、金工、漆工芸、木工芸、染織、絵画、陶磁器とあらゆる分野に用いられてきました。その伝統文様を、源右衛門窯ならではの流麗な筆致の赤絵で、白磁の上に春風に舞うように描いた湯呑です。
持ちやすい形状の湯呑は、使いこむほどに手に馴染み、春の訪れを告げるピンクの桜が、お茶を味わうひとときに明るく華やいだ雰囲気をただよわせてくれます。