染付吹墨桃形(そめつけふきずみももがた)
染付の彩料である呉須(ごす)を、含ませた筆から直接、あるいは霧吹きなどで素地に吹き付ける表現技法を「吹墨」と呼びます。明代中国より伝わる技法で、朝鮮の影響を色濃く残しながらあくまで「中国風」を志した、初期伊万里に良く見る文様です。
不老長寿をもたらすとして、古来中国でも縁起の良い果物とされる桃。そんな桃の実を、文様ではなく器全体で表現する意表をついた遊びごころも、源右衛門窯が受け継いだ古伊万里の伝統です。
大きめの形状とシンプルな色彩で、用途もさまざま。煮物などを取りわけるのにもぴったりです。