緑彩牡丹文(りょくさいぼたんもん)
中国を原産とする「牡丹」は、唐の頃から花の王として尊ばれ、皇帝から文人、庶民までひろく愛好されました。その富貴をもたらす吉祥文様をモチーフとした飯碗です。
牡丹の繊細な輪郭を染付で描き、地の部分は丹念に時間をかけて緑の上絵で塗込めました。深みのある緑と呉須のブルーが、気品をただよわせます。
源右衛門窯の飯碗が高い評価をいただいてきた理由は、持ちやすさや口当たりの良さなど基本的な機能性を追求してきたこと。熟達の職人が昔ながらの手技で、一つ一つ丹念に心をこめて制作しているからではないでしょうか。炊きたての白いご飯、旬の茸や筍の炊込みご飯、時にはお茶漬けなど、こころづくしのご飯をよそえば、味わいをいっそうひきたててくれます。使い込むほどに眼と手に馴染み、末永くご愛用いただける日常使いの逸品です。