赤絵丸紋菊(あかえまるもんぎく)
菊は秋を代表する植物で、その美しさから、桜とともに日本人に好まれてきました。また、奈良時代に薬草として伝来した由来から長寿を願う花とされ、服飾や絵画、彫刻など様々な分野で描かれてきました。
その伝統の丸紋菊を自在なタッチの赤絵の線で浮かびあがらせた湯呑です。側面に凹凸を持つ独特の形状は、轆轤師が一つ一つ指で押しながら成形した手技の結晶。光を返す釉薬の乱反射が見た目に流麗なだけでなく、手にとれば驚くほどのフィット感で、湯茶を呑む度に使い心地が深まります。職人の息づかいが素直に感じられる、暖かみのあるやきものです。